2018年05月13日

18きっぷで山陰近畿の旅② 2017 ―前途多難―


旅というと何かしらのハプニングはつきものであり、醍醐味でもあるわけだが、
出発の3時間前にアパートの漏電ブレーカーが故障したことは想定外だった。
荷造りも終っていなかったのに。

冷え込みの厳しい季節、一日でも電気が通らないと水道管が恐ろしいことになる。
人は悪い想像をすると本当にその通りになると聞いたことがある。旅の行き先が突然決まったことに戸惑い、実は一瞬たどり着けるのだろうかと疑ったことを見透かされているように思った。
だが、こちらもそうやすやすと年に一度の長旅、しかも、出雲行きを諦めるわけはなく、なにより買ってしまった切符をふいにしたくないという思いがわたしを奮い立たせた。
業者への連絡、荷造り、身支度、そのすべてを仕事のときよりも効率的にテキパキと済ませた。と思う。

その有能な仕事ぶりを誉めてくれる人もおらず、無情にも駆けつけた電気屋さんは原因がわからず修理することはできなかった。唯一の救いは電気屋さんが親切な人で留守中の凍結防止策を一緒に考えてくれたことだ。仕事道具のマイナスドライバーをトイレのレバーにひっかけて凍結防止の仕掛けを施してくれた。

それ以上なすすべもなく手は尽くしたと思うと、もう強引に遠くへ行ってしまおうと思った。
出発の日は吹雪で、駅まで歩きながら、冷たい雪が顔に吹き付けてくるたびに歓迎されていないのだろうかと旅の行く末が不安になった。旅に出る実感の湧かなかった。
それでも名古屋行きの特急列車に乗り込むと、とりあえず景気づけにビールを飲んだのだった。

18きっぷで山陰近畿の旅② 2017 ―前途多難―
(今回の旅もなぜかお供はつげ義春の『貧困旅行記』)

追記
結果的に立ち合わずとも漏電ブレーカーは復旧し、事なきを得た(詳細は長いので省く)。
とにかく、どうにもならないというのは案外ひとりの思い込みなのだ。今回は移動回数に比例するように予期せぬことに見舞われたが、なんとかなるたびにそんなことを実感した旅だった。


タグ :年末旅

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